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グローバル共生プログラム(GHP)とは

1.グローバル共生プログラムが目指すもの

コンセプト図

グローバル共生プログラム(Global Humanities Program, 略称GHP)は、大学院総合文化研究科にある文系4専攻(言語情報科学専攻、超域文化科学専攻、地域文化研究専攻、国際社会科学専攻)が協力して展開する、全く新しい大学院教育プログラムです。現代はグローバル化による世界の画一化と経済発展や文化の差異に基づく世界の多元化が平行する、きわめて複雑な時代です。文明観の相違に基づく衝突や緊張が国境横断的な規模で発生する一方、外国との人材交流やジェンダー、倫理道徳の変容が人々の生活規範を揺るがす時代でもあります。そのような時代に人文社会諸科学を総合する視点から、世界を理解する枠組みを鋭く問い直し、差異を包摂した国際社会の共生を模索する必要性がますます高まっています。グローバル共生プログラム(GHP)では、現場での実践を強く意識しつつ、この「グローバル共生」に必要な思考と技法を磨くことに教育の第一の目的をおきます。
一学年の定員は修士課程12名、博士後期課程6名で、学位取得者には国内外における共生の現場で活躍することが期待されています。東アジアに位置する日本からの知の発信に世界の関心が集まっています。既存の人文社会諸科学にはない新しい国際共生の視野を切り開くことにプログラムは力を注いでいきます。

2.グローバル共生プログラムの組織上の特徴

a. 横断的な研究・教育組織
東京大学大学院総合文化研究科は、文系の研究・教育組織として、言語情報科学専攻、超域文化科学専攻、地域文化研究専攻、国際社会科学専攻の4専攻を擁してきました。グローバル共生プログラムは、これらの専攻の相互協力により、専攻横断的に設置される大学院教育プログラムです。本プログラムの学生は、4専攻のいずれかに所属し、各専攻において本プログラムが求める所定の単位数を修得することで、当該専攻の研究分野にかかわるディシプリンを身につけます。

b. プログラム独自の研究・教育組織
グローバル共生プログラムの学生は、所属専攻で研究分野にかかわるディシプリンを身につけるのと並行して、「グローバル共生」にかかわる課題志向的な研究に取り込みます。そのための授業科目は本プログラムが独自に設定するもので、これによって本プログラムの学生は、「グローバル共生」という視座から現代世界にアプローチするセンスと力を身につけます。

c. 本プログラム独自の授業科目と構成
授業は「基礎科目」「展開科目」「実践科目」「特設科目」から構成され、文系各専攻から選りすぐられた専門の教員が、「グローバル共生」の概念と実践を問う授業を行います。

グローバル共生プログラム(修士・博士)授業構成
基礎科目
(運営委員分担)
グローバル共生基礎論 I・II 講義/演習・各2単位
展開科目
(運営委員+協力教員)
グローバル社会動態 講義/演習・各2単位
東アジアの共生
多言語・多文化解析
歴史・記憶・教育
規範と差異
共生への実践と政策
メディア・コミュニティ・ネットワーク
文化イノベーション
実践科目
(協力教員他)
グローバル共生実践演習 I~IV 演習・各2単位
特設科目
(運営委員)
論文・課題研究演習(修士課程対象) 演習・各2単位
博士論文準備演習(博士課程対象) 演習・各2単位

3.学位取得へ向けた丁寧な指導

プログラム学生は、所属専攻で開講されている授業および上記2のcにある授業に加え、修士課程学生の場合は、修士論文あるいは特定の課題についての研究の成果執筆に向けての論文・課題研究演習、博士課程学生の場合は、博士論文執筆に向けての博士論文準備演習を履修しながら、プログラム修了に備えます。

履修ステップ

4.学位

コースの修了者には「修士(グローバル研究)」、「博士(グローバル研究)」の学位が授与されます。

履修ステップ

5.独立した入試

グローバル共生プログラムでは、左記4専攻とは独立して入試を実施します。
社会人を学生として受け入れることにも積極的に臨みます。課程修了後、「グローバル共生」の実践の場で活躍ことを志す方々の参加を期待します。