グローバル共生プログラム第3期生となる学生のみなさんに、研究活動、今後の目標などについて聞きました。(2014年6月現在)
大学院選択に際して最大の問題が、私がアジア地域での人の移動に関心があるということでした。手法としてはケーススタディから普遍的な問題を探る、というものが一般的ですが、学際的に学ぶ本プログラムのシステムは違った切り口で研究に取り組む可能性を示してくれました。また、新設のプログラムではありますが、在学生・卒業生の背景・関心の多様性にも惹かれました。
研究テーマがアジア地域統合と人の移動ということで、総合文化研究科の国際社会科学専攻と地域文化研究専攻の科目を中心に、その他ドイツ語・トルコ語など言語科目を勉強しています。現在初年度夏学期ということもあり、研究の土台を形成するため、直接の専門分野以外の論文も合わせて、週5?6本の外国語論文と2、3の日本語論文または書籍を読んでいます。
直近の目標としては海外への留学を検討していますが、長期的な目標としては日本の発展と東アジアの協調に一市民として貢献することです。国際的な舞台で日本が今後も活躍していく為には、経済だけでなく、文化・政治など複合的な能力を持った人材が必要だと考えています。
本プログラムでは、少人数での教育が行われています。具体的には今学期必修科目は教員:学生比が4:7です。リレー講義ではなく、4人の先生方が1コマの間にそれぞれの専門分野の視点から代わる代わるご教授くださいます。時には学生の関心に合わせて1:1で指導にあたってくださる先生もいらっしゃいます。優れた先生方の知識の奔流に身を浸すことで、実際日々自分の成長を実感出来ます。更にゼミではプログラムの先輩のみならず他研究科・専攻の方々との交流も多く、彼等の示唆に富んだ見解は研究にとって非常に有益です。
大学時代は情報システムと情報管理を専攻しました。ウェブ・デザインを通じて「人に優しい情報環境の創造」とは何かを学び研究してきました。近年、日中関係が領土紛争で緊張度を高めていく中、国内で頻繁に進行しているデモや投石騒動による対日反対運動を目撃し、ナショナリズムの暴走の恐ろしさを感じています。現在のような既存マスメディアとコンピュータ・ネットワーク空間によって織りなされる複合メディア環境の中で人々が如何にナショナリティを実感しているのか、果たして「人に優しい」とはどのようなことなのか。これらについて、グローバル共生の立場を学び、グローバリゼーションとのかかわりの中で読み解きたいと考え、グローバル共生プログラムを志望しました。
人文社会系の研究にウェブ工学の応用可能性に関心を持っています。今は、主に間メディア研究、データマイニングを中心に論文執筆の準備を進めています。夏学期では、グローバル共生プログラムから2コマ(グローバル共生基礎論Ⅰ、メディア・コミュニティ・ネットワークⅠ)、超域文化科学専攻から2コマ(文化構造論Ⅰ、文化人類学演習Ⅲ)、自由科目として他専攻から2コマ(Web工学とビジネスモデル、社会情報学研究法Ⅱ)、副専攻から3コマを履修しています。
ジャーナリストとして、「グローバル共生」の実践の現場で活躍し、共生のためのメディア環境、という課題を念頭に入れながら、真のグローバル共生に寄与できるよう、頑張りたいと考えています。
受験の頃は本当に大変でした。今まで自慢だった受験法は効かなくなり、元々工学系出身で、「本」を読んでいても、感想が全然出てきませんでした。最初の2ヶ月は完全にパニック状態になってしまいました。受験生の皆様に届けたいメッセージとしては、何冊の本を選んで、目録をざっと見ても構いませんが、まず「グローバリゼーション」に関連するキーワードを全体的に把握することが大事だと思います。